こどもビジネススキル

イントロ 外資系企業での1コマ(1/3) 日系企業との違い発見!

転職して2ヶ月経ち、会社にも慣れてきた。

あるプロジェクトのサポートメンバーとして参加する事になり、その3回目のミーティングに出席した。

「・・・これで今日のミーティング終わります。ミニッツは後で送りますのでご確認ください。次回までに各自に振られたアクションアイテムへの対応お願いします。」

マネージャー 「USK、今日のミーティングはどうだった?」

USK 「そうですね、だんだん理解してきたと思います。」

マネージャー 「そっか。1つ気になってるんだけど、君って恥ずかしがり屋?」

USK 「え、いや、普通だと思いますけど。」

マネージャー 「そうだよね。インタビューの時もそんな感じはしなかったからね。」

USK 「何か気になる事ありましたか?」

マネージャー 「いや、ほら、今日も何も発言しなかったよね。無言でミーティングに参加してるの今回で3回目だよ。」

USK 「えっ!発言した方が良かったですか?確かに隣の外国人は色々なところで発言してましたけど。でも、みんなあの方向性で納得してたから、わざわざ発言する必要なんかないと。。」

マネージャー 「確かにね。でもあの最後の部分、しっかり理解できた?」

USK 「あ、いや。進行を止めるのも悪いと思って、あとで聞こうと思ってました。」

マネージャー 「ほら!なんであの場で聞かないの?同じタイミングでAさんも難しそうな顔をしてたよ。」

USK 「Aさんもですか。そうでしたか。。わかってないのは自分だけかと思ってました。」

マネージャー 「それでもいいの。発言する事に意義があるの。今回の場合、もし発言していたら、USKだけでなく、Aさんの問題も同時に解決できたかもしれないでしょ。」

USK 「そうですね。他にもわかっていない人がいたら、中途半端な状態でこのプロジェクトが進んでしまいますね。」

マネージャー 「その通り。仮に理解していたとしても、「今、言っていた事は、つまりこういう理解でよろしいですか?」って、違う切り口から聞いてみてもいいんだよ。間違っていたら教えてくれるし、発言する事によって自分の考えが正しいかを確認する事ができる。そして、ひょっとしたら同じ疑問を持っていたみんなの理解も深めることもできたかもしれないよ。発言する事に意義があるのはそういう事なの。」

USK 「なるほど。理解していてもあえて発言する、それはあまり考えた事がなかったかもです。」

マネージャー 「そういえばさ、前に座っていたインド人に気づいた?」

USK 「え、あのずっと頭を横に振ってた人の事ですか?あの人、何に対しても頭を横に振ってたから、プロジェクトに反対しているのかと思ってました。あの人に関係する話が今日の中心だったのに。あの人こそ、意見があるならはっきり言えばいいのに!」

マネージャー 「ははは。やっぱりね。インド人って話を聞いてる時、頭を横に振るのは「うんうん、聞いてますよ」という意味で使ってる事が多いんだよ。」

USK 「えええ!!頭を横に振ってるのに「聞いてる」のサインなんですか!わかりづれーー。」

マネージャー 「まぁこれがグローバル企業で働くという事なんだよ。自分とは違う文化、慣習があるという事を知らないと、うまく行く話もうまくいかなくなってしまうね。」

USK 「あー、そういえば思い当たるところがあります。今日の僕とかもそうかもしれませんね。意見に賛成してるのに何も言いませんでした。一言「大丈夫です、問題ありません。」と言えば、意見に賛成なのか反対なのかはっきりできましたよね。黙っているという事は、何を考えているのかわからない。さっきのインド人よりひどいですね。一切の意思表示してないのですから。」

マネージャー 「そうそう!大切なのは意思表示することなの。あなたがミーティングに参加して発言する事で、みんなの理解が深まったり、わからないところをはっきりさせたり、相手の意見に賛成・反対してるという気持ちを伝えられる。発言しないという事は、意見がないつまらない人間として見られるだけでなく、そこにいても意味のない人間、次からミーティングに呼ばなくてもいい人間、として見られてしまうかもしれないよ。」

USK 「困ります困ります。私もサポートメンバーとはいえ、プロジェクトに関わっている人間なんだから。ははは。」

(とは言ったものの、日本の企業ではテーブルの端でだまっていればよかったのが今までのスタイルだったのに、これからは何か発言しないといけないのか。日系と外資系のギャップを感じるなぁ。。。さて、次回からどのように会議に臨むべきか考えないとだな。)

 

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プロジェクト: 大きな仕事の事。大体の場合、それが終わるまでかかる期間が長く、関わっている人も多い。

サポートメンバー: 補助する役目で参加する事。会議の部屋を取ったり、議事録を取ったり、雑務が多い。

ミーティング: 会議の事。

ミニッツ: 会議の議事録。誰がどんな発言をしたかを残すためのメモ。これが結構大事。後になって、言った言わないの議論を防ぐ役割を果たす。

アクションアイテム: 会議の中で出た宿題の事。誰がいつまでに何をやるかを明確にする事が大事。

マネージャー: 上司の事。

インタビュー: 入社の時の面接の事。