教育関連

英語の価値や重要性が低下した未来

子供と英語・異文化理解・ビジネススキル

私と同じ事に気づいた人達が増えてきたことを実感することがありました。それは2018年5月24日の日経新聞10面です。いくつか印象に残った箇所を抜粋してご紹介します。

語学力より異文化理解
・自動翻訳時代に、果たして早期の語学教育は必要なのだろうか。未来のグローバル教育のあるべき姿を考えた。
・グローバルコンピテンスとは国際社会で生き抜く能力だ。自動翻訳が普及すれば、必要とされる言語能力よりも人間力だ。
・OECDが3年に1回実施する学習到達度調査によると、日本の15歳の学力は世界でトップクラス。ただ自己肯定力は低く、自分の受けた教育が将来役に立つと感じている学生が少ないことも指摘されている。
・自動翻訳時代の英語教育はグローバル人材の育成に必要な手段の一つにすぎない。あらゆる学びを生かして国際社会で活躍できる人材をいかに育てるか。これからの教育の存在意義はそこにある。

今は英語を勉強する事、話せる事が非常にもてはやされています。親はこぞって、子供が小さい頃から英語に触れさせる機会を設け、あわよくばバイリンガルにしたいと思っており、かく言う私もそんな親の1人です。

しかし、近い将来、不自由なく外国語でのコミュニケーションができる世界がやってきます。自動翻訳機やアプリ等の能力が、今とは比べものにならないくらい向上し、人とのコミュニケーションにおいて「言語」というバリアが消滅する日です。そんな世界では、英語の価値は下がり、今ほどの重要性をもったものではなくなるはずです。

世の親御さん達はこの未来に気づいていないのではないかと思います。母国語以外の言語を習得する必要がない世界がやってきたら、わざわざ英語や中国語を勉強させる必要はありません。その時間で、他の教科や習い事をやらせた方が間違いなく良いのです。

では、そんな時代を目の前にした子供達に、今から何を勉強させたらいいのでしょう。

それはやはり、ビジネスパーソンに必要なスキル「ビジネススキル」だと考えます。
「聴く力・考える力・話す力・実現する力」を磨いておけば、将来翻訳機を用いて簡単に意思疎通ができる外国人が増えたとしても、困ることは絶対にありません。むしろ色々なことでプラスに働くはずです。ビジネススキルこそ、自分の受けた教育が将来確実に役に立つスキルなのです。

異文化理解も大事だと思います。しかし、異文化理解は建物でいうと2階部分と考えます。
まずは1階部分である自分の意見・考えを生成する力を磨くことではじめて、相手と意見を交わしたり、次に繋がるアクションを取ることができるようになると思うからです。
ビジネススキルの習得、そして視野を広げる異文化理解という順番で、子供達にはグローバルコンピテンシーを磨いていってほしいですね。

私の子供の話に戻ります。
これからは英語を勉強させる必要はないと書きました。しかし、私は子供に英語を勉強させ続けさせようと考えています。
それはなぜか。
自動翻訳機が当たり前の時代になっても、その人本人の口から、本人の声色で、声のトーンで、メッセージを発した方が、より相手に伝わると思うからです。
デジタルの時代におけるeメールと、アナログな手紙の違いと同じです。直筆で書かれた手紙と、同じ内容が書かれてあるeメールでは、手紙の方がはるかに心に刺さるからです。
だから私は子供達に英語を続けさせるつもりです。
ただし、ビジネススキルももちろん学ばさせます!