こどもビジネススキル

第3回 プレゼンテーションスキル その1 発表に慣れる

Achievements for today (今日の目的): 人前で発表する事に慣れよう

 

今日のビジネススキル研修では、プレゼンテーションスキルを学んでいきます。

プレゼンテーションというのはみんなの前で発表する事です。

学校でも発表とかいろいろやっているからわかるかな。

では、質問です。

みんなの前で発表すると緊張する人?

あれ、君は緊張しないの?すごいじゃん。

まあ、大体の人はみんなの前に立つと緊張してしまい、うまく話せなくなって、あーダメだ、と思ったりしてしまいます。

ただ、これだけは覚えておいてください。

緊張するのはみんな一緒です。

大人になっても人前で話すと緊張します。

だから練習するのです。

そして今日はどんな風に話したら、緊張してなさそうに見えるかも学んでいきます。

それではいつもの実験からやってみましょう。

 

あなたはリンゴを売りに来たセールスマンです。

おいしいリンゴを高い値段で売り込みたいと考えています。

そのセールスマンになりきってやってみましょう!

 

【実験準備】

・ ビデオカメラ(スマホの動画機能でも可)、三脚

・ 立ち位置をみんなで相談して決める

【実験内容】

カメラの前で以下の内容を言う。

「ここにリンゴが3種類あります。

日本全国から、北は北海道、南は九州からおいしいのを集めました。

1つずつゆっくりと食べてみてください。

あなたは味と値段、どちらで選びますか?」

順番に一人一人をビデオに収めていく。

 

はい、ありがとうございました。

さぁ、みなさんどうでしたか?

以前、学んだコミュニケーションの3要素、覚えてましたか?

実践できましたか?

 

まず、一番重要なのは見た目でしたね。

目から入ってくる情報に聞き手が左右されてしまうんでしたね。

悪いサングラスの人、オドオドしている人、覚えてますか?

あと、姿勢もありましたね。

こんな姿勢はどうですか?

・ 体を振り子のように揺らしながら話す

・ 斜めに立ちながら話す

・ 手をモミモミしながら話す

これらはダメな姿勢ですね。そっちばかりに目がいってしまい、気が散ってしまいます。

良い姿勢とは、

・ しっかり地に足をつける

・ 足を肩幅くらいに開ける

・ 体重を均等にかける

・ 聞き手の方を見る

ですね。

今日のみなさん、なかなか良くできていたと思います。

 

聞き手の方を見る、ですが、ここで一つ秘密を教えます。

これ、今日の授業のポイントですよー。

聞き手の方を見ると緊張しませんか?

みんなの目がこっちを見ていて、次何を言えばいいか忘れてしまう感覚になってしまいませんか?

そんな時は、見てるフリをすればいいのです。

これは、誰にも言ってはいけませんよ。このクラスにいる人たちだけの秘密です(笑)

 

見てるフリ、それはですね、左右に大きく、ゆっくりみんなを見るのです。でも人の顔はあまり見ない。

ほら、教室の後ろの柱、ありますね。

左のあそこの柱から、右のあそこの柱までゆっくり目をやるのです。

どうですか、やってみてください。

ゆっくりあっちの端から、こっちの端まで見るのです。

そうすると、聞き手を見てるようで実は見てない、でも聞き手は全体を見られている感じになる、特別な裏技なのです。

こうすれば緊張もあまりしなくなりますね。

 

もう一つ重要なポイントを話します。

ジェスチャーです。

先ほどの実験でも少しジェスチャーを入れていた子達がいましたね。

すごくよかったです。

さらにもう少しジェスチャーを取り入れたいと思います。

では、どんなジェスチャーがいいと思いますか?

 

ふむふむ。リンゴが山になってる感じにする。いいと思いますよ。

ありがとうございます。

みんなのジェスチャーよかったです。では、私なりのジェスチャーを発表しますね。

「ここにリンゴが3種類あります。」 ← ここでは指を3の数字にして、リンゴが3種類あることをアピールします。

「日本全国から、北は北海道、南は九州からおいしいのを集めました。」 ← ここでは、北を表すために、手を上の方に持ってきます。そして次は逆の手で、九州、下の方に持ってきます。全国からリンゴを集めてきた感じがでますね。

「1つずつゆっくりと食べてみてください。」 ← ここでは、指を1にして、ゆっくり前後に出します。

「あなたは味と値段、どちらで選びますか?」 ← 最後ですね。両手を天秤なみたいな形で「味」と「値段」を表現してみてください。

 

どうですか?

見た目が大事というのがありましたよね。

話の内容がもっと頭の中に入ってもらうよう、ジェスチャーを取り入れることも大事です。

でもあまり入れすぎるとそっちばかりに目がいってしまうので、ほどほどの感じで取り入れることにしましょうね。

では、みんなで一回やってみますよ。

 

見た目の次に大事なのはなんでしたか?

そうですね。声の質や速さとかでしたね。

声の音量、話すスピード、休止する場所、話し方などですね。

はっきりわかりやすく、声のトーンに気を付けて、短い文に区切って話すとよろしいかと思います。

一つの文章があまり長すぎると聞き手が、何の話だっけか、とわからなくなってしまいますからね。

また、「えーと」「あのー」「なんだっけ」などの不要な言葉を入れるのはやめましょうね。あまりに多すぎると、そちらにばかり気を取られてしまうこともあります。

今回の場合は、速さに気を付けて、ゆっくり一つ一つ伝えるようにしましょう。

ジェスチャーと話している言葉があっているかも気を付けるポイントですね。

はい、ではみんなでゆっくり言ってみますよ。

 

では、もう一度、同じリンゴのセールスマンをやってみましょう。

(ビデオを撮る。どこがどんな風に変わったか、具体的にコメントする。大体みんなすごく良くなっている。)

 

 

さて、次は1分間スピーチに挑戦したいと思います。

緊張の話を最初にしましたね。

みんな緊張するものです。

緊張をすると、ますます頭が回転しなくなり、みんなの前で何を話していいかわからなくなります。

それを避けるために、練習します。

みんなの前に立って、急に与えられたお題について話してみます。

大丈夫ですよー。

みんな緊張します。自分だけではないですから!

 

例として、ここにいる親御さんどなたかにやってもらいましょうかね。

どなたかいますかー?

では、はい。

お願いします!

お題は「サル」です。

なんでもいいので、サルについて1分間話してください。

はい、どうぞー。

 

ありがとうございます。みなさん盛大な拍手をお願いします。

すごいですね。かなりスムースに話していましたね。

きっと会社では優秀な社員なんだと思いますよ。

すごかったですね。

 

では、あの方みたいにうまくいかないかもしれませんが、

みんなもやってみましょう。

はい、誰か立候補したい人はいますか?

(ここで使用したのは、アルファベットとその絵が書いてあるカードを使用した。

リンゴ、傘、タコなどおもしろそうなのをピックアップして、1分間そのお題について話をしてもらった。)

 

みなさん、よくできました。

緊張して、言葉に詰まるのは当然です。

でもそんな中でも、最後までやりきる、これを繰り返していけば、きっと緊張になれてくると思いますよ。

これからも定期的にやっていきますので、がんばっていきましょう。

 

それでは最後に、小学1年生が書いて優秀賞をとった作文を朗読していただきます。

事前に宿題として出していたので、家で練習してきたかと思いますが、どうでしたか?

良い話でしたよね。

近いうちに、君達にも作文を書いてもらい、その内容を発表してもらおうと思っています。

小1にこんな作文が書けたのだから、小3の君達はもっとすごい文章をかけるでしょうね(笑)

ははは。安心して下さい。

プレゼン用のスピーチはもっと簡単なお題にしますよ。

はい、では、ボランティアいますか?

(ここで使用したのはシナネンという会社が主催している作文コンクールで優秀賞をとった作文。本当は小学生が発表しているスピーチを真似させたかったが、見つからなかったので、作文を朗読させることにした。なかなか良い作文があり、なかには涙しそうになったものもあった。うちの生徒たちにもいつかそんな作文を書いてほしいものだ。

朗読が終わったら、話し方のスピードや休止する場所ができているかをフィードバックする。)

 

それではこれでプレゼンテーションスキルの第1回目を終わりにしたいと思います。

今日習ったことを復習しますよ。

何回も言いますが、見た目と話し方が9割を占めるので、そこは注意して発表してください。

また、今日は聞き手を見る方法とジェスチャーをつけて発表する方法を学びました。

大きく左右にゆっくり見る。そして、ほどよい感じで内容に応じて手を動かす、でしたね。

今日学んだことを実践すると、たとえ緊張していたとしても、意外と他の人からは緊張してなさそうに見えますよ。

また、緊張は誰しもするものなので、たくさん練習して慣れていけば大丈夫です。

今日もありがとうございました。