こどもビジネススキル

第2回 Diversity(多様性)について - ビジネススキル研修 (子供、小学生、中学生対象)

Achievements for today (今日の目的): 世界に色々な人がいることを理解する

 

今回はコミュニケーションスキルの一つ、Diversityについてお話していきます。

Diversity、これは聞いたことがない言葉ですね。大人でもあまり聞いたことがない言葉だと思います。

Diversityは「多様性」という意味です。はい、多様性、わかる人いますか?

難しいですよね。

多様性、つまり、世の中には色々な人がいるという事、自分とは違う人がいるという事です。

では、身の回りで自分とは違う人、いくつかあげてみましょう。

 

肌の色が違う人、髪の毛の色が違う人、目の色が違う人、背がすごく高い人、背が低い人。

そうですね。

見た目以外にも何か思いつきますか?

 

いじわるな人、勉強がすごくできる人、足が速い人。

はい、そうですね。間違ってはいないんだけど、それはちょっと多様性とは違うかもしれませんね。

ほら、それらはその人の能力や性格だったりしますよね。

。。。

うーん、ちょっと難しいですね。OK! では、それらも多様性に含めてしまいましょう(笑)

 

自分とは違う人が周りにたくさんいるというのがわかりましたね。

では、質問しますよ。

もし周りの人が自分とは違うのではなく、自分が周りの人と違う場合、どうします?

 

例えば、焼肉が好きな人?

はい、まあまあみんな好きですね。

今、みんなに聞いた焼肉、それは牛肉ですか?

 

想像してください。

君がある国に行きました。すごく仲の良い友達ができました。

友達になったので、僕の家に招待して美味しい料理YAKINIKUをふるまうよ、と言いました。

友達は「?」という顔をしましたが、美味しい料理だからと誘ったら、喜んで来てくれることになりました。

友達が家に来てくれました。

ほら、これがYAKINIKUだよ、と言いました。

友達は「えっ!!これ、もしかして牛肉??牛は神聖な動物だから、僕の宗教では食べられないよ!」と帰ってしまいました。

 

君がまた違うある国に行きました。また、すごい仲の良い友達ができました。

日本から出店している美味しいラーメン屋を見つけたんだ、一緒に行こうよと言いました。

友達はRAMENって何?何のスープなの?と聞きました。

スープは豚骨だよ。豚の骨を何時間も煮込んで美味しい出汁を取るんだよ、と熱く説明しました。

友達は「えっ!!豚??豚は汚い動物だから、僕の宗教では食べられないよ!」と言って帰ってしまいました。

 

ある人達は、牛や豚だけでなく鶏肉もだめで、土の下になっている野菜でさえ食べられなかったりもします。

また、ある村に住む人たちは全員、家電、車、電気を一切使わなかったりします。その村全体でですよ。

 

最後の2つはちょっと特殊な人達だけれども、それでも何千人はいます。

もし君がそういう人達が住む場所へ一人で行ったら、何千人のうちのたった一人になるという事です。

つまり、この場合、君がほかの人達とは違う人になるわけです。

 

今度は世界を見てみましょう。

世界がもし全部で100人だったら、で考えてみましょう。

 

【準備】

・ ホワイトボードに〇を100個書く

・ 世界地図をホワイトボードに貼っておく

 

はい、ここに丸が100個あります。

これ、それぞれが人だと考えてください。

この100個の丸、つまり100人が世界、地球に住んでいる人だったとします。

 

では、質問しますよ。

この中の何人がアジアに住んでいるでしょうか?

この大きい大陸、日本も含まれていますよ。

ここに住んでいる人たちは何人でしょうか?

 

61人です。

(人数分を四角く囲っていく)

 

次、いきますよ。

アメリカとかがあるこの大陸。そしてその下の大陸も合わせてしまいます。

この2つ、南北アメリカ大陸に住んでいる人、何人いるでしょうか?

そう、アメリカ人やブラジル人が何人いるかです。

 

なんと13人です。

アジアに住んでいる人のほうが多いのですね。

 

次です。

この大きいアフリカ大陸。

ここに住んでいる人は何人でしょうか?

 

ここもね、13人ですって。

 

次はヨーロッパ大陸。

イギリスやフランスとかありますね。

ここに住んでいるのは何人でしょうか?

 

ここは12人です。

 

そして、残りの地域、南太平洋地域に住んでいる人たちが1人だそうです。

 

では、日本は世界地図でどこでしょうか?

 

そう、そこですね。

日本はどこの地域に属しているかわかりますか?

そう、アジアですね。

アジアは61人いるという事でしたね。

では、この中の何人が日本人だと思いますか?

 

違いますねー。

もっと少ないですよ。

 

答えは、2人です。

つまり、ここの2つの丸以外の98人は、みんな日本人ではないということになりますね。

 

日本の人口は、世界で10番目だそうです。

それでもこの中のたった2人。

なんかすごいですよね。

 

日本の常識を知っているのはこの2人だけという事です。

他の人は違う人。

98人から見たら日本人なんて、少ないですよね。

ね?世界には色々な人がいると思いませんか?

 

はい、では「せかいのひとびと」を読んでいきましょう。

 

(この本はとてもいい。小さい子でもわかる。細かいので学年があがっても新たな発見があるはず。特に気に入っているのが、最後の2ページ。)

 

どうでしたか?

どんな感想を持ちましたか?

最後のところですが、どっちの世界に住みたいと思いましたか?

 

 

世界には色々な人がいることがわかってきましたね。

 

では、話を少し変えますね。

 

この中で学校に行ってる人?

ってみんな小学校に行ってるか(笑)

字は読めますか?字を書けますか?

お、すごいですねー。

 

ここで問題です。

この100人の中で、字を読めたり書けたりできる人は何人いるでしょうか?

ここのクラスではみんなできていましたね。

世界でどれくらいの人ができるでしょうか?

 

答えはね、17人です。

たったの17人。

 

では、この100人の中で、どれくらいの人が大学に行けると思いますか?

ちなみに、日本では半分くらいの人が大学に行ってるらしいですよ。

世界ではどれくらいだと思いますか?

 

なんと、1人だそうです。

 

はい、どんどん質問していきますよ。

家に冷蔵庫ある人?その冷蔵庫の中に食べ物がある人?

屋根がある場所で寝てる人?

服を着ている人?

 

この3つの質問に手を挙げられた君達は、なんと世界の25人に入るとのことです。

つまり、世界の75人は服を着ることができていないかもしれないし、屋根の下で寝ることができていないかもしれないし、冷蔵庫の中に食べ物がないのかもしれない、ということです。

考えられますか?

君達はすごーく、すごく恵まれているということがわかってもらえましたか。

 

学校の勉強とか嫌かもしれません。

でも、世界を見たら、勉強嫌だからしたくない、とか言ってられない、と思いませんか?

 

では、もし文字が読めなかったらどうなると思いますか?

ちょっとやってみましょう。

 

(これは教育協力NGOネットワーク(JNNE)が手がげた「世界一の大きな授業2013」のアクティビティを参考にしています)

【アクティビティ準備】

・ コップ 3つ

・ 水

・ 塩

・ 砂糖

・ 印刷用ラベル

① コップそれぞれに水を入れる

② ラベルにネパールやインドで使われている言葉を貼る

貼る言葉は以下の通り:

A. 毒(ネズミ用)

B. 熱さまし

C. 栄養

③ Aには塩、Bには砂糖を混ぜる

 

【アクティビティ】

1.まず、話をする。

あなたのお母さんが高熱を出して苦しんでいます。でもこの村にはお医者さんはいません。医者のいる町は、山道を一日歩いた上に、バスに7時間も乗らなければたどり着きません。村では学校の先生の家に薬が少し置いてあり、困ったときには先生から薬をわけてもらっています。先生の家を訪ねてみると先生は町まで出かけていて留守でした。戸棚には薬の瓶がいくつかありますが、先生以外は瓶の文字を読めません。いつも熱の出た時に使う薬を同じような瓶が3つありましたが区別がつきません。さあ、どうしましょう?

2. コップを選んでもらい、その前に並んでもらう

3. コップの中身を順番で飲んでもらう

 

 

はい、皆さんどうでしたか?

正解はBでした。

Bが熱さまし、Aがネズミ用の毒、Cが栄養でした。

 

では、なぜこれを選んだのか、飲んでどうだったのかを聞いてみましょう。

 

字を読めないということはこういう事なのです。

病気のお母さんを救ってあげられないかもしれないのです。

良いですか?

 

ダメですよね。

なので、皆さん勉強しましょう!

帰って勉強しましょう!テストで100点取りましょう!!

 

はい、では、これでテストで100点取りましょうの研修を終わります。

って違うか(笑)

 

少し話はそれてしまいましたが、今日の研修を通じて、

世界には文字が読めない人がたくさんいることがわかりました。

世界には自分とは違う人がたくさんいることがわかりました。

ひょっとしたら自分が他の人とは違うのかもしれないということもわかりました。

 

日本には日本人が多いので、多様性が少ないです。

だからこそ君達に伝えたかったのです。

 

多様性とは

・ 世界には色々な人がいるという事

・ 色々な人がいるという事は、色々な考え方があるという事

・ 他人と違うからっていじめないでほしい、もっと相手の事を理解してほしい

 

多様性について学ぶことで

・ 他人を認められる人になってほしい

・ 君達が恵まれている状況にいることを知ってほしい

・ 世界をより良くしていってほしい - 例えば、戦争がない世界、貧困がない世界、自然があって、動物がいて、水も食料もみんなが普通に食べられる世界

 

君達には世界を理解してもらって、多様性を理解してもらって、将来、世界を良くしていってほしいと思います。

 

今日はDiversity、多様性について学び、世界に色々な人がいることを理解しました。

ありがとうございました。